令和3年度以前知事記者会見

2018年9月4日(火)


知事発表:台風21号について、さくらももこさんについて、韓国忠清南道との友好協定締結5周年に係る訪問
知事発表(記者質問):静岡県障害者文化芸術活動支援センターの開設等、“ふじのくに”士民協働施策レビューの開催
幹事社質問:駿河湾フェリー
幹事社質問(記者質問):駿河湾フェリー、シンフォニエッタ静岡の定期公演撤退、JR三島駅の開発
記者質問:JR三島駅の開発、自民党総裁選、水難事故の防止、障害者雇用
記者質問:障害者雇用、国民民主党の新代表、シンフォニエッタ静岡の定期公演撤退
記者質問:浜松市の野球場

知事発表:台風21号について、さくらももこさんについて、韓国忠清南道との友好協定締結5周年に係る訪問

(知事)

 本日のお花は、バラ、それからリンドウですね。カーネーション、小さな黄色はソリダゴといわれるものです。葉っぱは、ハラン。

台風21号について

 それよりもですね、今、非常に強い勢力の台風21号が、現在、静岡県の方に接近し、既に雨風が強くなっている地域もございます。

 県民の皆さまにおかれましては、ラジオ、テレビ、インターネットなどを利用して、降雨、河川の水位、土砂災害に関する最新情報を入手するようにお願い申し上げます。

 また、各市町から出される避難準備情報、避難勧告・指示に基づき、適切な避難行動をお願い申し上げます。

 雨風が強くなっていて、避難することが、かえって危険な場合には、自宅の2階より上、山・崖から離れた部屋に避難するなど、身を守る行動を取ってください。

 今日は、県庁の職員にも、定時というよりも、定時前に退庁するように、特に新幹線ほか、交通がまひする可能性もございますので、そのように指示したところでございます。

 私もなるべく、仕事が終われば、私がいるとなかなか周りの人は帰りにくいみたいなところがございますものですから、早期に退庁しようというふうに心掛けたく存じます。

さくらももこさんについて

 先週、さくらももこさんが亡くなられたという訃報に接しまして、誠に残念であります。

 「ちびまる子ちゃん」、ご出身の旧清水市を舞台に描かれた、誠に素晴らしい漫画でございましたけれども、老若男女を問わず、広く支持され、日本だけでなく本県と交流の深い中国、台湾、韓国でも高い人気がございました。昨年の秋に、浙江省と静岡県の友好提携35周年に参りましたところ、何と、向こうのおもてなしに、「おどるぽんぽこりん」、知ってます。それを浙江省の子どもたちがですね、舞台で踊ってくれまして、会場全体が、わーっと沸きまして、改めまして、「おどるぽんぽこりん」だけじゃなくてですね、「ちびまる子ちゃん」の人気が本当にアジア全体に広がっているということを知りました。

 そうしたことだけに、静岡の誇りでもあり、日本にとっても財産であったももこさんが、まだお若いのに亡くなられたというのは、誠に残念の極みでございまして、謹んでお悔やみを申し上げる次第であります。

 発表項目が三つございます。

韓国忠清南道との友好協定締結5周年に係る訪問

 まず、来る9月10日、月曜から、14日の金曜まで、韓国の忠清南道(チュンチョンナムド)におきまして開催される友好協定締結5周年記念式典へ招待されましたので、ご訪問をさせていただきたいと思っております。

 これまで5年間、忠清南道とは「農業」「青少年」「民間外交」を中心とした交流を進めてまいりましたが、今年7月に就任された梁承晁(ヤン・スンジョ)新知事さんと初めてご面会することになりました。今後の両県道のさらなる交流の深化に向けて意見を交換する予定であります。

 友好協定締結5周年記念式典におきまして、本県出身の版画家で文化庁長官表彰の受賞に輝かれている牧野宗則(まきの・むねのり)さんによる、日本平から見た富士山を美しく描かれた版画、これですね、これを忠清南道の方にご寄贈申し上げます。本県を代表する牧野さんが描かれた富士山を忠清南道の方々に広くご覧いただくことで友好の絆を感じていただけるものと考えております。なお、この寄贈する版画でございますけれども、牧野先生の方から贈呈いただけるという、大変ありがたい申し出をいただいております。牧野先生には、心から厚くお礼を申し上げたく存じます。これからも健康に気を付けて、素晴らしい作品をお嬢様の風鈴丸様とともにですね、お作りいただければと思っております。

 さて、東アジアの地方政府間における農業政策の共通の課題を話し合う、いわゆる「東アジア地方政府3農フォーラム」、「3農」というのは、農村と農業政策と農民ということでございますが、この「3農フォーラム」が同時に開催されます。平成28年、2年前の10月に本県でも開催しましたこのフォーラムに私が出席いたしまして、今度はですね、農産物の高品質化、高機能化、高収量化、低コスト化を目指す先端農業プロジェクト、日本でも最先端の「AOI(アオイ)プロジェクト」など本県の取り組みをご紹介申し上げたいと思っております。

 その他、日本の総務大臣に当たる韓国政府の行政安全部長官と面会が予定されております。本県が進める地域外交、防災施策等についてご紹介申し上げ、さらに一般社団法人韓日経済協会の会長ともご面会申し上げ、経済や青少年交流などについて意見交換を行う、盛りだくさんの予定が入っております。

 今回の訪問によりまして、特に本県と忠清南道、そして広く韓国との交流の拡大につなげていきたいと考えております。




知事発表(記者質問):静岡県障害者文化芸術活動支援センターの開設等、“ふじのくに”士民協働施策レビューの開催

(知事)

静岡県障害者文化芸術活動支援センターの開設等

 次の発表項目は、静岡県障害者文化芸術活動支援センターの開設等についてであります。

 支援センターについて申し上げますと、文化・芸術活動を通じて障害のある方の社会参加を促進する静岡県障害者文化芸術活動支援センターを、今月19日、水曜日ですが、静岡市葵区呉服町の5風来館(ごふくかん)に開設いたします。

 センターには、支援コーディネーターを配置いたしまして、気軽にご相談に寄っていただける窓口を設けます。また、展覧会・舞台発表などの発表機会を創出し、サポートする人材の育成、本県にゆかりのある芸術家、音楽家等で構成される障害者芸術応援隊による出前講座の実施などを行います。

 運営には、NPO法人オールしずおかベストコミュニティに委託して行います。

 センターの開設により、障害のある方の文化芸術活動の裾野を拡大し、地域に根ざしたネットワークを構築し、県民の皆さまの障害のある方への理解促進を図ってまいりたいと考えております。

 なお、センターは長ったらしい名前ですので、「未来へ共に」ウイズ「アート」ということで、その略称で、このベストコミュニティの方々のご意見を賜りまして、「みらーと」といたしました。

 次に、障害者の芸術祭についてでございますが、来月6日、土曜日ですが、グランシップでシンボルイベントを行います。それを皮切りにさまざまなイベントを展開いたします。今回20回目を迎え、東京2020オリンピック・パラリンピック文化プログラムの展開もございますので、従来よりも内容を拡大・充実して開催する予定です。

 シンボルイベントでは、社会福祉法人富岳会による富岳太鼓の演奏、日本を代表する書家の一人である金澤翔子(かなざわ しょうこ)さんによる席上揮毫(きごう)、障害者として初めてR−1ぐらんぷりで優勝なさいました濱田祐太郎(はまだ ゆうたろう)さんによる漫談ライブなどの発表ステージを行います。

 10月末に浜松市で、11月初めに沼津市で作品展を行いますが、出展作品と県民PRイベントの出演者の募集を今月10日から行います。併せて、グランシップでのシンボルイベントの観覧者の一般募集も開始いたしますので、県民の皆さまの参加をお待ちしております。

 東京2020オリンピック・パラリンピック文化プログラムをはじめ、さまざまな文化芸術活動を促進し、障害のある方々の社会参加を進めていく所存でございます。

“ふじのくに”士民協働施策レビューの開催

 次に、“ふじのくに”士民協働施策レビューの開催であります。

 本県では、国に先駆けまして、平成21年度、私が就任した年でございますが、に「事業仕分け」を実施いたしました。そして毎年改善を重ねながら、昨年度まで9回にわたり日本一の開催実績を誇る「事業レビュー」を実施してきた次第でございます。今回は10回目に当たるということで、今まで300を超す事業についてレビューをしていただきました。

 そこで、新しい総合計画「静岡県の新ビジョン」がスタートいたしましたところなので、この着実な推進を図っていく必要があるということで、今年度は9月8日、土曜日、9日、日曜日の2日間にかけまして、新ビジョンに掲げる施策につきまして、県民の皆さまから改善提案をいただこうということで、「“ふじのくに”士民協働施策レビュー」というタイトルにいたしまして、開催をいたします。

 県が取り組む施策につきまして、県民の皆さまが直接議論を行っていただいて、施策の改善に向けたご意見をいただく「提案型」のレビューは、全国初の取り組みです。

 当日は、「地域防災力の強化」、「地域包括ケアシステムの推進」、「産業人材の確保・育成」等々、本県が直面する重点課題である六つの施策につきまして、改善の提案をいただくことで、新ビジョンの着実な推進につなげていこうと考えております。

 昨年度に引き続き、過去のレビューに参加した学生の有志により結成された「ふじのくにづくり学生研究会」と、県内の大学生に向けた広報事業を展開する「静岡時代」と共催をすることといたしまして、若い世代の皆さまに協力をいただきながら実施をいたします。

 本県の将来を担う10代20代の若者の積極的な参画を募ったほか、継続的に県政へ参画いただいております「“ふじのくに”づくりサポーター」のご協力もありまして、250人もの県民の皆さまから「県民評価者」として応募をいただいているところであります。

 施策レビューは、公開で行います。ぜひ多くの県民の皆さまにご来場いただきまして、県の取り組む施策の効果等についてご一緒に考えていただきたいと思っております。

 私からの報告は以上であります。

(幹事社)

 知事ありがとうございました。

 それでは、今の発表項目について質問のある社はよろしくお願いします。

(記者)

 士民協働の「士」って誰のことを指しているんでしょうか。

(知事)

 これはですね、富士の「士」、立派な人。一般市民全てです。

(記者)

 そういうことならばいいんですけども、役所側が「士」で、民が「民」だと、ちょっと、身分制度を固着するような、あまりよろしくない名称ではないかなっていう懸念を抱いたもので。

(知事)

 それは無理な発想ですね。例えば野球、サッカーでサムライと、サムライジャパンとやってますね。ですから、われわれは、そういう一般市民も立派な人という意味ですよね。修士、学士、あなたも大学出られて学士でしょ。ですから、そういう立派な人の一人です。そういう立派な士民づくりといいますか、しようというのが、「ふじのくにづくり」に入ってるんですね。

 ですから、これは今回初めてつくったんじゃなくて、一番最初から、士民づくりと。もし、「シティズン」の市民にすれば、田舎に住んでる人は市民でしょうか。ですから私は、江戸時代のですね、立派な人のことを「人士」と呼んだんですよ。そういう言い方がありまして、そこから、立派な人づくりということでですね、「士」という字を意図的に使っておりまして、天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずと、福沢諭吉さん、1万円札に、その理念が、私は象徴的に印刷されているんじゃないかと思っておりますけど。

 150年前のですね、そんな古くさい考えに到底、誰もが思っていると思っておりません。




幹事社質問:駿河湾フェリー

(幹事社)

 それでは幹事社質問の方に移らせていただきます。幹事社質問は1点です。

 駿河湾フェリーのプロジェクトチームの3回目の会合が先月下旬に開かれましたが、その際に難波副知事の方から、会合後に、来年1年間は、県や関係6市町が主体となってフェリーを運航させる方針を示しました。今後、具体的にどんな運航形態やスキームになるのか、また赤字になった場合、県や市町の負担割合など、合意の進捗(しんちょく)状況があれば教えてください。

(知事)

 今、進捗(しんちょく)中ということなんですね。まだ決まってはいないということでございますが、ともあれ、鈴与グループの方から、船舶ほか施設を無償で寄付してくださるということですから、リース代はいらなくなりますね。船舶に対する。そうすると、今の乗船客数が2割ばかり増せばですね、収支がとんとんになるということは、一応出てるんですけれども、これをどのような形で運航していくのか、運航主体を誰にするのか、ということを、今3市3町で詰めてるところです。

 また、フェリー会社ともですね、それぞれ持ってらっしゃる財産がございますので、それもしっかりと、どのようにしていくかということで詰めておりまして、ただいつまでたっても、お待たせするわけにもいかないのでですね、この次の記者会見、いつですか、2週間後ですね。そのときにはご発表申し上げるようにですね、指示したところでございます。そのときまでには決めたいというふうに思っておりますので、今日のところは、現在、今詰めの作業を行っているということでございまして、ご容赦願いたいということでございます。

(幹事社)

 ありがとうございます。今の幹事社質問について、追加の質問のある社はお願いします。

(記者)

 まだ、合意の進捗(しんちょく)中というか、進んでるさなかだとは思うんですけれども、フェリーの防災面で見たときの重要性については、知事はどういうふうにお考えでしょうか。

(知事)

 極めて重要だと思っております。

 ですから、仮に有事になりますと、海から、また空からということもございますし、海にお運び申し上げるということもありますし、海を通して資材を運ぶということもございます。

 ですから、防災面でもフェリーの存在が重要であるというふうに認識しております。

(記者)

 もう1点、静岡市から土肥に向けての乗船率と比べると、土肥から静岡市の乗船率が低いという問題があると思うんですけれども、その点については、現在のところはどういうふうにお考えでしょうか。

(知事)

 土肥というのは、言うまでもなく伊豆半島の西側ですよね。そして伊豆半島にたくさんお越しになるお客さま、これは首都圏からです。首都圏の方々を伊豆半島にお誘いするのにいろいろと観光パンフレットが刷られてるんですが、これは、富士箱根伊豆というふうな形で県境を越えつつも、実は伊豆より西側についてはですね、情報がないということだったわけです。

 ですから、この間、フェリーに私乗りまして、鈴木社長と1時間余り、乗船中ですね、いろいろと意見交換をいたしました。それで、伊豆半島にお越しになる方々に伊豆土肥に来れば、フェリーがあって、そして清水港に来てですね、その後、三保の松原なり、あるいは久能山なり、その他静岡のさまざまな所ですね、ここも見られるというような形で観光パンフレットを、フェリーの両方について、パンフレットを作ろうというふうな、そうすると、土肥から乗られる方もですね、その情報を得て、今度行ってみようかということになるんじゃないかと言ってまして、そういう実態については、われわれも承知おりますので、そうしたことの改善もですね、これから図って、いわゆる2割増しにつなげていきたいと思っております。

(記者)

 関連の質問させてください。前回の記者会見で、手紙を頂いたということになりました。その手紙というのが、非常に大きなきっかけになったんでしょうか。その感想と、改めて、次の記者会見にはという話なんですけれども、その思いの背景の気持ちについて教えてください。

(知事)

 そうですね。これ、突然来るわけじゃないんですね。ですから、今、港湾についての担当のエキスパートがいます。旧運輸省、現在の国交省の港湾についてのエキスパート、彼がですね、県のチームと一緒に交渉してくださって、そしてこういうやりとりになったと。

 もちろんこれは、7月に難波副知事と私、話しまして、こういう要請をしようということで、要請に、どういう具体的な中身が返ってくるかということについては、具体的にですね、かなり突っ込んだやりとりをしてもらいまして、それで、鈴与グループとしても大きな決断ですから、そして最高責任者である与平さんから、この手紙が来たということですのでですね、ずっとこの間、運航停止せざるを得ないという、そういう発表があって以来ですね、即、これを継続するためにどうしたらいいかという観点から、私は担当者と密に連絡を取りながら、最終的にああいうお手紙を頂くことになったというわけでございます。

 従って、あの手紙のインパクトは非常に大きいし、皆さま方も、鈴与も大きな決断をされたということでですね、そこには当然、無償で提供するから何とか存続してほしいという地域を愛する、清水を中心にした地域を愛するですね、鈴与グループの気持ちも、この手紙の行間ににじんでいるというふうに受け止めております。

(記者)

 駿河湾フェリーに関しては、7月にですね、駿河湾フェリーの船上で、6市町の方々を集めて利用促進の会議が行われました。今回ですね、この6市町との間でスキームを決めるに当たって、もう一度、県と6市町の方が集まって話し合いをするような場を設けるご予定はあられるんでしょうか。

(知事)

 そうですね。8月30日にやったと思うんですね。8月30日ですね、確か。それを踏まえまして、最初の詰めを、6市町、すなわち静岡、伊豆、下田が3市ですね。あと3町というのは、西伊豆、松崎、南伊豆町でございますけれども、この3市3町と密に連絡を取ってですね、公的機関に無償提供するとおっしゃってますので、この公的機関というのは、目下のところは、これに県を含めた7団体ということになりますね。そうしたところでの詰めを行っているということで、全体でもう1回集まるかどうかはですね、聞いておりませんけれども、あと2週間ほどで結論が出せるというように私は承知しておりますので、先ほど、この次の記者会見では、お話できるんではないかと。恐らく3市3町との合意の上のものを、ご発表申し上げられると思っております。




幹事社質問(記者質問):駿河湾フェリー、シンフォニエッタ静岡の定期公演撤退、JR三島駅の開発

【駿河湾フェリー】

(記者)

 すみません、そうしたら1点だけ質問させてください。確認なんですが、知事としても認識として来年1年間は県とこの6関係市町が一緒になってフェリーを運航させるという考え方でよろしいんでしょうか。

(知事)

 最終結論はこのワーキンググループ、プロジェクトチームにですね委ねております。私の変わらない気持ちとしまして、これは県道223、DCキャンペーンが来年、そしてオリ・パラが再来年。もちろん来年はワールドカップも行われると、さらにまた多くのお客さまが今お越しになられて、去年の観光客数もまた増加しましたね、一億五千数百万ということで。そういう方たちに知っていただくことが必要だと、それから先ほどご質問ございましたように伊豆半島の方からこちらに来られるお客さまが少ないということもございますのでですね、やれることは相当あるだろうということで、私はこれの廃止をですね、一度として考えたことはありません。ですから、恐らくプロジェクトチームの方も、そういう共通認識の上にやってくれていると。そしてまた、ものすごいたくさんの方々から存続の要望を受けておりますので、「止めろ」という声は一つも聞いておりません。ですから、そこのところは意思統一ができているんじゃないかと思っております。あとはやり方ですね。

(記者)

 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。

 それでは、幹事社質問以外で何かあればお願いします。

(記者)

 すみません、2点についてお伺いします。1点目は先ほど、つい先ほどなんですけれどもシンフォニエッタ静岡が、静岡から撤退するという発表をされました。これは2点理由として述べられていたものの、大きなものとして、グランシップの予約が取れない、取りにくいので公演の予定が立ちづらいということをおっしゃっていました。それから、文化プログラムにかなり圧倒される形で使い勝手が悪くなっているという指摘もありました。正直、撤退について知事はどのようなご感想を抱かれたかということと、そういう、なかなか収益が上がりにくいオーケストラについて、県としてどのような助成のあり方、あるいは支援の仕方があると考えていらっしゃるか、お聞かせください。

 2点目は、JR三島駅南口の開発についてです。先般、まだ市民の抗議の中でですね、三島市の方がミサワホームさんとですね、協定を結ばれました。その協定を結んだのか時期尚早であるか、市長選まで待てばいいのかどうかということについても、市民の間でもいろんな意見があるようですが、この点について知事が所感がありましたら、何かお考えがありましたらお聞かせください。

(知事)

シンフォニエッタ静岡の定期公演撤退

 はい、質問ありがとうございました。第1点のシンフォニエッタ静岡が撤退するということで、今日午前中に記者会見が開かれるということは、その1時間前に私は知りまして、大変驚きました。シンフォニエッタ静岡の指揮者でもあり全体の監督もされている中原さんは、文芸大の大学院を主席で卒業された方で、今年の3月の卒業式に私も式典に参っておりまして、彼が総代で修了証書を受け取られるのを目の当たりにしてましてね、この方は非常に愛郷心が強い方で、また音楽造詣の深い方で、いろいろと活動してらっしゃることを知っておりましたので、今回撤退ということを知ってですね、実際驚愕(きょうがく)しました。実は記者会見の後、ぜひお目にかかりたいというので、30分ばかり先ほど話したばかりです。そして今、記者さんからのご指摘のようにですね、グランシップというのは、2年くらい前から予約取らないと取れないというところがありますね。それから今、耐震性のためにこれから工事に入るということがありまして、ますます予約というか、可能性が低くなってくるわけですね。ですから、今までシンフォニエッタ静岡さんの方は、グランシップの中ホールでですね、主に演奏されてきた。それがなかなかに覚束がないということで、しょうがないから県外に、東京に演奏活動の主体を移し、あとは静岡県について教育啓蒙(けいもう)活動をしたいということで、音楽の裾野を増やしたいというふうに言っておられて、静岡への音楽を通しての郷土愛の強さというものを、僕自身が、中原さんから直接確認したということです。

 それからまた、文化プログラムというのは、これは非常に大きなプログラムで、その文化プログラムとの関わりでですね、それにうまく乗られたところと乗っていないところともあって、シンフォニエッタ静岡がどういう形になったか、若干ご不満があるみたいでありましたけれどもね、基本的な考え方としてはですね、実は静岡は演劇の都と言われているわけです。じゃあ、演劇人口と音楽人口とどちらが多いでしょうか。印象的にはどうですか記者さん。(音楽人口。)

 そうですね、音楽人口の方が圧倒的に多いと思います。そしてその音楽ホールとしてわれわれが持っているのは、静岡市にAOIホールというのがあります、郵便局の上ですね。これはそんなにたくさん入らない。それから静岡市がお持ちのマリナートがあります。これは1500人ぐらいでしょうか。あとは浜松市のアクトシティにもございます。そうしたことでですね、いいホールというのが若干限られているというふうに言わざるを得ない。そうした中でホールがなかなか取れない、演奏会場が取れないというふうなことなのでですね、演劇プラス音楽について、音楽人口の方が圧倒的に多い、数倍あるいは二桁ぐらい多いんじゃないかと思っておりますが、これをちょっと考えざるを得ない時期に来ているというふうに思っております。それで中原さんとも、これから連絡を密にしながら、音楽を職業としている人、また常葉大学で音楽のコースがございますし、清水南高校には音楽科がございますね。そうして音楽家を育てているわけです。そしてクラシック音楽と、例えば普通の多目的ホールでの違いというのは、クラシックのような所ではマイクを使わないわけですね。だから音響が極めて、ピアニッシモでピアノ弾いても、あるいはバイオリンを弾いてもですね、あるいはギターを弾いても、それは全部、全会場に聞こえるというふうなことが求められます。そうしたことからしまして、こういうホールへの渇望というのがですね、皆さん音楽家、声の出しにくいところがあったのですが、今回初めてですね、中原指揮者、マエストロの方から明確に言っていただきまして、私は「それはそうだろう」と思っていただけに、かえって撤退をきっかけにこれから撤退しなくて済むような音楽環境をつくり上げていきたいということでですね、県民の皆さまのこれからご理解を得る運動をしていきたいというふうに思っております。禍を転じて福となすということですね。

JR三島駅の開発

 それから、三島につきましては協定をミサワさんと結ばれたということですが、この件につきましては、出された絵は100メートルもの高層マンションを造るということでですね、基本的に私はこういうものは三島の玄関口に合わないという考えを、一番最初から持っておりました。もう一つ問題は、やはり市民の理解を得られているかどうかということでですね、いろいろな動きがあるということを承知しております。そうした中で、これから市としては事業者と一緒になって、来月でしょうか、複数回にわたって説明会を開くと承知しておりますので、ここでですね、十分にこの事業者に対して市民の方々のご意見などをぶつけてですね、敵対のまま事業が進むということのないようにしていただきたいと、切に願っております。

(記者)

 ありがとうございました。




記者質問:JR三島駅の開発、自民党総裁選、水難事故の防止、障害者雇用

JR三島駅の開発

(記者)

 そうしますと、今の三島の駅前の開発の関係でお伺いしたいのですが、市民の理解が得られれば、これは事業として進めるべきだというようなご意見でよろしいでしょうか。

(知事)

 ともかく事業者と市がですね、市民にどういうふうに説明され、また差し当たって出された絵ですね、ああしたものが市民の理解を得られるような形で修正されるのかどうかがポイントじゃないでしょうか。今のままではおかしいと言っている方たちが、かなり強硬な意見としてあるのを承知しておりますので、それが意見が割れている現実なのでですね、今のままで意見が一致するというのは極めて困難ではないかと見ております。

自民党総裁選

(記者)

 話が変わりますけれども、9月7日に総裁選の告示がありますけれども、県知事のお立場から、もし候補者に望むことがあれば教えていただければと思います。

(知事)

 総裁選ですか。そうですね、二人の対決になりましたね。来年は今上陛下のご退位と新天皇のご即位、また即位式、ワールドカップ、再来年のオリンピック・パラリンピック等々国際的な行事が進みますね。そうした中で、こうしたことをベースにどのような日本をつくっていくのかというふうなことは、大変関心のあるところであります。ですから、一人が正直と公正をポイントにすると、他方は憲法に自衛隊を明記することをポイントにすると、それが自分自身の政治信条だからというふうなことはですね、それなりに分かりますけれども、明治150年、そして平成31年で平成の世が終わると、閉じられるというときに新しい日本のビジョンみたいなものについて政策論争を交わしていただけると夢が湧くなというふうに思いますが、今のところそういうことはなされてないし、政策論争する時期も限られているみたいですし、さらにまた総理は外遊もされると。従って何か数の力で一気に決めてしまうというふうな感じが見えまして、自民党さんの中での戦いということで、国民の将来と関係しているかなという疑念はございます。

(記者)

 ありがとうございます。

水難事故の防止

(記者)

 今年水難事故がすごく県内で多いということで、先日静岡大学の学生さん3人の方も行方不明で、遺体となって発見されたりですとか、何か注意喚起、大学側ですとか県として力を入れるべきところなど知事の所感を教えてください。

(知事)

 静岡大学の青年3人がですね、波に飲まれてついに亡くなられたというのは、恐らく親御さんにとってはいたたまれない気持ちであろうと思っております。ご遺体が上がったというのがせめてもの慰めかなと思いますけれども、あそこも100回に1回とか、1000回に1回大波が来るということが地元の人は知っていたわけですね。そうしたことを、果たしてあの青年3人たちが知ってらしたのかどうかということが悔やまれます。ですから、地元の人ならああいう形での遊び方をしなかったであろうと思いますので、やはり最近は高波もですね、従来より高くなっておりますし、遠州灘などはもう泳いではいけませんし、遊泳禁止の所は決して駄目だということなどですね、学校それから自治体等でですね、徹底して水難事故というものは海にしろあるいは川にしろですね、甘く見るととんでもない悲劇を生むということで、防災訓練のみならず、こうした水難事故に遭わないということを意識的に言っていただくという文化をつくり上げたいと思っております。

 それが、亡くなられた方への供養になるのではないかと思っておりますし、二度とこういうことがないようにしなければならないと思っております。

(記者)

 ありがとうございます。

障害者雇用

(記者)

 最近ですね、行政機関の障害者雇用について問題になっていますけれども、手帳の有無ということも一つ問題だと思うんですけれども、それ以外に県がですね、障害者の方を雇用する際にどういった配慮をされているのかということと、職員の方が雇用されてからですね、途中で障害者になられたときとかに、例えば面談をして要望できることとできないことがあったりだとか、そういったどういう配慮がなされているのかというのをお聞かせください。

(知事)

 障害者雇用というのは今2.5というふうに定められ、そのまえは2.いくつだったわけですが、それを上げようということでですね、障害があるなしで差別がされないようにと、特に障害者雇用についてはできる限り県が模範になって進めるということでやってきたわけですね。ところが、厚労省の規定に合わない形で障害者の認定をしてきたということでですね、今徹底的に洗い出してもらっておりまして、個人情報もありますから、慎重にしておりますけれども、9月の中旬ぐらいには調査が終えられるのではないかと思っておりますが。八木さんちょっと、それに関連して。

(八木行政経営局長)

 調査の関係でございますけれども、8月30日から調査を開始しております。9月の6日までにということで、それぞれの所属に今お一人お一人確認をしてくださいということをお願いをしているところです。その調査の結果を、現状では9月の中旬を目途に取りまとめをしたいと思っております。なにぶん人数も多いですし、一人一人確認をということで、若干スケジュール的に厳しい面もありますけど、目標としては9月の中旬ということで取りまとめをさせていただきたいと思ってます。以上です。

(知事)

 その折に今、ご質問があったようなことについてですね、調査結果も踏まえまして、これまでなぜこういう形で、結果的には間違った数字が出てきたのかということについても、網羅的にご説明申し上げたいと思います。




記者質問:障害者雇用、国民民主党の新代表、シンフォニエッタ静岡の定期公演撤退

障害者雇用

(記者)

 先ほどの記者が聞いたことの趣旨の巻き直しになってしまいますが、数字の問題は結果待ちということになりましたが、県が採用するに当たって、あるいは中途で障害になられた方に勤務上どのような配慮とか、差別に当たらないような働き方、働かせ方の工夫をされていらっしゃったのか、そこについて今後変更点だとか、より配慮するところがありますか。

(知事)

 当然です、障害のある方に対して配慮するのは当たり前のことでありまして、ですからそのときにですね、初めから障害者手帳を持っている方は言うまでもありませんけども、途中で障害を持つことは当然ございます、そのときに配慮しないってことは有り得ないですね。それが障害者手帳と結び付かない場合があったということであろうと思うんですよ。どんな障害かということは千差万別でございますから、慎重に調査をして、この数字だけではなくてどうしてこういう方を障害者にしたのかしなかったのか、これまでの経緯もそこに入ってまいりますので、それを数字とともにご発表申し上げるということです。一律に言えないと思うんです。

(記者)

 適材適所を心掛けて雇用のあり方については検討されていらっしゃる。

(知事)

 人事というのは適材適所に尽きます。障害があるにも関わらず、年齢がこうだとかこういう仕事をしなさいとかとんでもないことです。県の方も一人一人の人権を大事にする、同時にですね障害のある方には健常者と同様にいかないということは前提で障害者認定しているわけですから、それに応じた形での働き方というのをしていただいて、ご本人が、いってみればやる気をあるいはこんなところ嫌だという形になると、いつ自分がそうなるか分からないでしょう。そういうことがないようにという姿勢は一貫しております。適材適所というのは障害者に対しても健常者に対しても当てはまるということです。

(記者)

 もう1点、先日島田市の染谷市長が手帳のあるなしだけで障害者かそうでないかというのを割るのは非常にデリケートな問題を含むので、彼女自身はちょっとそこの点について昨今の報道を見て疑問に思っていると。障害の内実があるとしても、いろいろな考え方で手帳を取らないという選択をする人もいるようなこともあるので、今回手帳のあるなしだけで法定人数を満たさない満たすということを余り強調されると、障害者の自己決定をするところが阻害されるというのではないかという趣旨の発言があったんですけども、知事はこの点についてはどのようにお考えですか。

(知事)

 染谷さんの言われるのはよく分かります。今回ですね一つの県とか一つの自治体、省庁だけっていうのならですね、そこが水増していたというふうに言えると思いますけども、これだけ多くの自治体や関係省庁がですね結果的に水増しと、要するに障害者手帳を持っていない方たちを障害者として認定したと、これは構造的に問われることがあると思いますね。かといってですね、今障害者手帳を持っている方を障害者と認定してくださいという規定があるわけですから、それを遵守してなかったというのは誤りですね。ですから厚労省にもこれだけ大規模に結果的に水増しとなっていることの原因を認識していただいて、染谷さんのご指摘も私は共感するところはございますが、コンプライアンスはコンプライアンスです。それはしっかり守らなくてはいけないと。従って今回なぜ静岡県、うそ偽りを言わないというのが一番の基本ですから公務員にとってですね、そういう形になったのかというのをお一人お一人にお聞きして実態を知ろうと、知ったことは皆さま方に公表したいというふうに思っているわけです。

国民民主党の新代表

(記者)

 本日、国民民主党の代表選で玉木雄一郎さんが選出されたということなんですが、これに対して党運営に対する所見なり伺えたらと思います。

(知事)

 まだ票数など知りませんが玉木さん、代表になられてお祝いを申し上げたいと思います。今、国民民主党これまでもそうでしたけれども、どこかに内部の対立が外に見えてきますね。ですからいったん代表になられたので党内の融和に努められると同時に、国民民主党への支持というのは全体の1パーセントとか聞いています。それだけに相当に難しい船出であるということで、党一丸となってですね、今回の代表選でできたであろう亀裂をなるべく早く修復されて、国民民主の名に恥じないような政党の代表になっていただきたいと存じます。

シンフォニエッタ静岡の定期公演撤退

(記者)

 ありがとうございます。もう1点、先ほど音楽振興に関するお話で、今後撤退をしなくて済む音楽環境をつくりたいと、理解を得る運動をしたいという話がありましたけど具体的に新たなホールを造るとか具体的なイメージは何かお持ちですか。

(知事)

 浜松はですね、昔から楽器の町と言われたんですね、そして知らぬうちに音楽の町、そして康友市長になられてピアノコンクール、それから県がやっているものですけどオペラコンクールをやっています。そうしたことから音楽の都っていう言い方をなされることになり、直木賞作家に紹介されたりしています。これは浜松だけではなく全県下県民にですね、静岡はお茶の都、食の都、太陽の都、水の都と言っておりますけれども同時に海外で演劇の都静岡からパリに来てくださったということがあるわけですね。先ほどのご質問、皆さま方も常識的に音楽人口の方が演劇より多いうということでございます。今回のシンフォニエッタ静岡の撤退の大きな理由の一つは演奏会場がないということでですね、しょうがないから外に行くということでありますので、ハード面というのが不足しているということを今回突き付けられたんじゃないかと思っておりまして、これは県議会の先生方にも理解していただいてですね、そういう方面に不満が出ないようにするにはどうしたらいいかと、浜松はすごい大ホールから中ホールにパイプオルガンを持っておりまして、富士ロゼシアターほかほとんどが多目的ホールでございますね。いわゆるサントリーホールができてカラヤンがきてこんなに素晴らしい響きを持つところがないということで、あそこで録音したり演奏会することを好まれて、それ以降、札幌の音楽ホールができ、川崎に素晴らしい音楽ホールができる。それぞれ響きがあまりにもきれいなもので多くの人が来られるわけで、静岡県の場合はいろいろ工夫してきたわけですけども、そうしたものが不足していますと突き付けられたということは重く受け止めています。




記者質問:浜松市の野球場

(記者)

 浜松市の県営野球場についてお聞きしたいことが2点あります。浜松市議会が川勝知事に整備の要望をしたということを受けて、改めて知事が考える必要性と今後どういったふうに進めていきたいか、その2点を教えていただけますか。

(知事)

 まず市議会、長くかかられたわけですけれども、あそこがふさわしいということで、議会を代表して議長がこちらに要請に来られたわけですね。野球場がふさわしいので、市と共同して野球場建設を望むという、そういう内容でした。そして同じ日に市長さんが来られまして、大きな要望を三つ掲げられたんですけれども、最初のご要望が従来通りですね野球場をということで、今まで市長、経済界ならびに自治体、そして今回は市議会ということで浜松市80万人の方々のですね、総意を今回われわれは受け止めたというふうに思っております。だけど、まだその土地は民有地なんですね。この土地を市がご取得していただかないとですね、何もできないということがあります。それから、大きな施設ですのでね、近隣の遠州を中心にした地域の方々にもどういう施設にするのかということのご説明に上がらねばならないというようなことでありまして、それに若干時間をかけまして12月議会に諮ろうとこういう段取りでおります。

 ちなみにどういう運用ということでですね、市長さんもならびに市議会の代表も県営球場とおっしゃっていましたね。しかし野球はですね、プロもやってますからね。ですから北は北海道札幌にございます日本ハムから寒いところの楽天、あるいは神宮球場を追い出される、追い出されるというか6大学野球のときにはですね、そこでプレーができないヤクルトさんだとか、さらに西側には遠いところでソフトバンクもありますでしょう。そうしたところを全部見ると、ちょうど真ん中にありますでしょう。ですからあそこに野球場が造られるとなるとですね、多くの方々にこれを知らしめるということも重要だと思っておりまして、取りあえずそうしたことを話す段取りには到底なっていません。まずは土地が確実に譲っていただけるのかと、かなりの数の地権者がいらっしゃるみたいですからね、そうしたことをクリアした上でですね、どういうふうにして野球場を造っていくかという話になるということでございます。

(記者)

 ありがとうございます。防災面でも必要性というのは大きくあると思うんですが、そこはいかがでしょう。

(知事)

 そうです。よく聞いてくださいました。まさにですね、遇遇(ぐうぐう)その要求されてきた所は13メートルの防潮堤と隣接しているんですね、そういう土地なわけです。しかもそこがスポーツの地区でして、市の認定をされてもう20年近くなると、そこにトビオの水泳の施設もあります。さらに市はスポーツ関連の施設を造るための土地も取得されました。そして大きく空いているところ、ここを野球場にということですね。野球場はアルプススタンドがありますから当然高いわけです。ですから高いということはですね、そこに逃げられるという構造にさえすれば、遠州のこの海浜というのは見るに値します。実に素晴らしい中田島砂丘をはじめ、今度、今半分くらいできた防潮堤をご覧になりますと、優にこのぐらいの幅はありますからね。半分側は砂浜でしょ、内陸側は松林ですね。そして静岡の方に向かって来る場合は、天気がいいと富士山が見えますからね。私がもし子どもなら、富士山目がけてばーっと走りたいと思いますよ。ですからそこにウミガメが来て卵産んだりとかね、いうようなこともあって、学習しましょうということでいろんな人が来られると。しかしながら、一方で防潮堤を造っている理由は津波を防ぐためであって、そして、一波二波というふうに来て、二波の場合は非常に大きくなるというふうに言われてますからですね、そのときに高い所に逃げる以外に方法がないんです。そうしたものとしてこれが使えるということでですね。だから有事のことも併せて考えて、こうしたところは県が責任を持ってやるというつもりで私は初めからおりました。しかしそれは、やっぱり野球場ですから、ベースボールされるプロあるいは経験者のご意見も十分に賜ってですね、球場を造っていくというのがよいと思っているわけであります。ですから、防災は必要条件で、それを平時にはにぎわいの空間にする野球場ということでですね、仮にプロが来ればですね、北は北海道から南は九州までですね、応援に来られますよね。ちょうど高塚から20分ですよね、歩いて。「今日は誰が先発するか」とか話しながら、あるいは「今日は誰が打ってよかった」とかね、そういうようなことを話しながら帰るのにちょうどいい距離ですよ。ですから、あそこがにぎわいの空間になる可能性もある。地価も上がるでしょう。いわゆる沿岸部のですね、リノベーションというものをやっている内陸のフロンティアの取り組みのですね、目玉の一つになり得ると思っておりまして、私自身はそういう夢を持っておりますが、まずは意思が固まった、そして土地をしっかり提供していただくための準備に入っていただく、周りの方々のご理解を賜り、県議会の先生方のご理解も賜って全員にことほがれる形で野球場ができればいいなということでございます。